夏の京都のイベントと言えば
「祇園祭」と「五山の送り火」。
7月に行われる祇園祭が盛り上がるのは、
夏の暑さが本格的になるころ。
そして、五山の送り火が終わると
少し暑さもやわらぐ・・・
そんな、京都の季節感とともにある
イベントでもあります。
まっ、最近は
「大文字が終われば
ちょっと朝晩涼しくなるかな~」
なんて期待はできないですけど・・・(-_-;)
今回は、そんな五山の送り火に
スポットを当ててみたいと思います。
京都生まれ、京都育ちの私は、
小さいころは、近所の歩道橋に登って
送り火を見たりしたんですけどね~
京都のビルやマンションには、
高さ規制があるとはいえ、
以前は見えていたところから
今年は見えなくなった!なんてこともよくあります。
いい見どころはあるのか・・・気になるところですけど、
まずは、5か所の送り火について
見ていきましょう^^
もくじ
5つの送り火
お盆に迎えたご先祖様の霊を送るかがり火。
8月16日の夜8時から
順に点火される送り火は、合計5つ。
1つずつ紹介していきますね^^
20:00 大文字(大文字山)
東山にある標高465.4mの大文字山は、
五山の中では一番高い山。
1番最初に点火され、
5つの中でメインといえる送り火です。
普段は、ハイキングコースとしても
人気の山なんですよ!
ただし、8月16日は一般の入山は禁止されていますけど。
(「大」の字を「犬」にしようとたくらむ人など
トラブルが絶えなかったようです^^;)
当日は、無病息災と記された護摩木が運ばれ、
山上にある弘法大師堂で、般若心経があげられた後、
送り火が一斉に点火されます。
「大」の文字は、1画目の横棒が80m、
2画目が160mの大きさ。
75か所の火床で点火された炎が
夜空に大の字を浮かび上がらせます^^
出町柳の三角州、鴨川の堤防沿い、京都御苑、吉田山
20:05 妙法(松ヶ崎西山・東山)
標高135mの西山に「妙」、
186mの東山に「法」の字。
正確には、2つの山に2文字なんですけど、
一山一文字としてセットで扱われます。
とっても低い山なので、見えにくいんですけど、
北山通に行けば、近くに見えて
迫力がありますよ~(*゚∀゚*)
この「妙法」と「船形」の点火時間ですけど、
2014年からは、従来より5分早まります。
これで、五山がすべて5分間隔で
順に点いていくことになります。
妙法の山のふもと、涌泉寺(ゆうせんじ)では、
- 前日の20時ごろ~
- 送り火終了後の21時ごろ~
「題目踊り」「さし踊り」が開催されます。
「妙」 北山通(ノートルダム女学院付近)、宝ヶ池教習所
「法」 高野川堤防沿い、松ヶ崎大黒天交差点
20:10 船形(西賀茂船山)
別名「精霊船」とも呼ばれる船形は、
たて約130m、横約200mと
5つの中では、1番の大きさです。
ふもとにある西方寺で鳴らす鐘の音を合図に点火され、
送り火終了後には、六斎念仏が行われます。
六斎念仏とは、鉦(かね)や太鼓を打って、
念仏を唱えながら踊る民俗芸能のこと。
平安中期ごろ、空也上人が一般庶民に
信仰をひろめるために始めたと伝えられています。
北山通(北山大橋から北西)、御薗橋
20:15 左大文字(大文字山、大北山)
金閣寺の北側にある、標高約230mの山にある
「大」の字は、市内からは左側に見えるため
左大文字と呼ばれます。
19時にふもとの法音寺で、護摩木がたかれ、
点火法要が行われた後、その火で
親火松明1基と手松明およそ40本が点火されます。
その火を山上へ運ぶ松明行列も見どころです。
50年ほど前に始まった
比較的新しい行事なんですけど、
観光客にも注目され、定着しています。
東山の大文字からは15分遅れて点火される
こちらの大文字は、一斉点火ではなく
筆順に沿って火がついていくのも特徴の1つです(^^♪
西大路通(西院~金閣寺周辺)、平野神社
20:20 鳥居形(曼荼羅山=まんだらやま)
東山から始まった送り火のラストを飾るのは
西山にある鳥居型です。
嵐山の渡月橋と広沢の池では、灯籠流しも行われ
鳥居型の送り火と同時に楽しめます。
松尾橋、渡月橋、広沢の池
それぞれ特徴のある五山です(^^♪
次は、おススメのスポットを見ていきましょう!
おすすめのスポットは?
京都の市内を囲むように
東、北、西にある5つの送り火、
意外に広範囲に広がっているんです。
なので、5つ全部が見える場所だと、
1つ1つがかなり小さい・・・
そして、どの山もそんなに高くないので、
建物に邪魔されてしまって、
すべてが見えるスポットって、
実は少ないんですね・・・(;´∀`)
全部きれいに見ようと思ったら
テレビの中継が1番!!
・・・なんてことは言わずに、
おすすめのスポットを紹介しますね^^
より大きな地図で 五山送り火おすすめスポット を表示
やっぱり、全部見たい!!なら・・・
市内のホテルやレストランでは、送り火を見ながら
食事ができるプランなどが用意されています。
その中で、5つすべてが見えるところでは、
二条城の向かいにある
京都国際ホテルが有名です。
京都市中京区堀川通二条城前
075-222-1111
http://www.kyoto-kokusai.com/event/
もう1つ、
もう少し五山から離れた京都駅ビルなら、
事前抽選に当たれば、無料で鑑賞できます。
会場となる空中径路、大空広場、
合わせて350組700名を
毎年7月中旬に募集します。
日時 8月16日19:30~20:30
場所 空中径路、大空広場
応募期間 7月中旬
応募方法 ホームページ、郵便ハガキ
http://www.kyoto-station-building.co.jp/index.htm
雰囲気を楽しみたいなら・・・
鳥居型のところでも紹介しましたけど、
灯籠流しとの組み合わせ!
↓ ↓ おススメです(*^▽^*)
これは、広沢の池の灯籠流しの動画ですが、
嵐山の渡月橋付近でも行われます。
嵐山は、もともと観光地、
8月16日もにぎやかな雰囲気です。
ちなみに、渡月橋あたりからは
鳥居型と大文字(右)が見えます。
広沢の池の方は、
もう少し落ち着いた雰囲気がありますよ。
人の出は、もちろん、それなりに多いですけど・・・
迫力ある送り火を楽しみたいなら・・・
5つある中の1つに絞って見るのが、
じっくり見ることができて、
実は、すごくおススメです。
山の近くに行けば、迫力満点ですしね^^
- 吉田山から見る「大文字」
- 北山通から見る「妙法」
- 金閣寺付近から見る「左大文字」
などです。
人が動いている様子や、
火床の1つ1つが見えるのもおもしろいですよ^^
混雑を避けて見たいなら・・・
あれもこれも・・・と欲張らなければ
市内で送り火の見える範囲は
とても広いので、
混雑を避けて見ることは
そんなにむずかしいことじゃないと思いますけど、
ここでは、2か所、紹介しますね。
1か所目は西大路通です。
あまり北に行くと(今出川通あたり)混みますけど、
南北に伸びる西大路通りの先に左大文字が
よく見えます。
西大路通を横切る信号が青になると
通りの中央に人が出てきます^^;
もう1か所は、京都御苑です。
とっても広いので、
ある程度人がいても大丈夫です。
8月16日は、送り火の時間が近づくと
市内では、ビルや広告塔の照明が落とされます。
何もかもが消されて、真っ暗になるわけじゃないですけど
御苑の中は特に暗いので、
その点は、要注意です。
最後に・・・
いかがでしたか?
ご先祖様の霊を送り返す意味を持つ
送り火ですけど、その起源も、「大」の字の意味も
明らかにはされていないんですって Σ(・ω・ノ)ノ!
また、「い」や「一」など、
現在の五山以外の送り火の記録もあり、
明治から昭和初期にかけて、減っていったものの
その理由も時期も諸説あったり、
かなり謎に包まれた行事だったりするのです。
ちなみに、送り火としてだけでなく
戦前には戦勝を祝って
点火されたことなどもあるんです。
最近では、2000年12月31日に五山に点火されました。
戦争と環境破壊の20世紀を送り、
明るい21世紀を迎える節目の日には
五山の送り火が、ふさわしかったようです^^
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